個人事業主・フリーランスのファクタリング|登記できない理由、少額の下限、売掛先が個人の場合
※この記事にはアフィリエイト広告(成果報酬型広告)を含む場合があります。確認日:2026年10月27日
結論
- 債権譲渡登記は「法人がする金銭債権の譲渡」が対象で、個人事業主は使えません(法務省資料)。個人事業主が2社間で使えるのは、登記を求めない会社です。
- 少額の下限は会社で大きく違います。公式の表示では iFactor・ペイトナーが1万円から、PAYTODAY が10万円から、アウル経済・PMG が50万円からです(2026年10月27日確認)。
- 売掛先が個人(個人事業主など)の請求書は、扱う会社と扱わない会社があります。iFactor は可、ビートレーディングは不可と公式に書いています。
- 少額・短期ほど年率に置き換えた目安は大きくなります。例:30万円を40日早めて手数料10%なら、91.25%です(法律上の利息ではありません)。
個人事業主は債権譲渡登記を使えない
2社間ファクタリングでは、売掛先に知らせずに債権を譲渡します。このとき、ファクタリング会社が第三者(二重に譲渡された相手など)に権利を主張できるよう、債権譲渡登記を求めることがあります。法務省の資料によると、この登記の対象は「法人がする金銭債権の譲渡など」です。譲渡する側が個人事業主の場合は、登記を使えません。
そのため、個人事業主が使えるのは次のどちらかです。
- 2社間で、登記を求めない会社:iFactor(原則登記なし)、PAYTODAY・Easy factor(登記なし)などが公式にそう案内しています。
- 3社間:売掛先に通知・承諾を得る方式です。民法467条の通知・承諾で対抗要件を備えるため、登記は使いません。売掛先に知られる代わりに、手数料は2社間より低い傾向があります(ビートレーディングの2024年度平均実績は2社間10.3%、3社間6.8%)。
登記がない分、登録免許税(法人なら1件7,500円)や司法書士報酬はかかりません。一方で、会社にとっては二重譲渡のリスクが残るため、審査で確認書類が増えたり、手数料に反映されたりすることがあります。登記の仕組みは債権譲渡登記の仕組みと費用、方式の違いは2社間と3社間を読んでください。
少額の下限(各社公式)
| 会社 | 金額の下限 | 個人事業主 | 手数料の公式表示 | 出典 |
|---|---|---|---|---|
| iFactor | 1万円(上限は請求書の額面まで) | 対象(個人事業主向け) | 3.1%〜 | 公式 |
| ペイトナー | 1万円 | 対象 | 一律10% | 公式 |
| ビートレーディング | 1万円(個人・フリーランス向けは1万〜300万円) | 対象 | 2024年度平均 2社間10.3%・3社間6.8% | 公式 |
| PAYTODAY | 10万円 | 事業者は対象(FAQでは事業をしていない「個人の方」は対象外) | 1〜9.5% | 公式 |
| アウル経済 | 原則50万円以上 | — | 概ね1〜10% | 公式 |
| PMG | 50万円 | — | 個別査定 | 公式 |
「—」は公式ページで確認できなかった項目です。ペイトナーは、支払期日まで70日以内の請求書が対象と案内しています。数字は各社の自己表示で、実際の率・上限は審査で決まります。
売掛先が個人の場合
フリーランスの取引先は、法人とは限りません。個人事業主や一般の個人に対する請求書を売れるかは、会社によって違います。
- iFactor:売掛先が個人でも可と公式に書いています。
- ビートレーディング:「売掛先が個人事業主の売掛金」は買い取らないとしています(給与債権も不可)。
ほかの会社は、公式ページで売掛先の条件を確かめるか、申し込む前に問い合わせてください。売掛先の信用力は手数料に影響するため、売掛先が法人の請求書と個人の請求書では、同じ会社でも率が変わることがあります。
年率に置き換えた目安
手数料率×365÷日数で年率に置き換えると、少額・短期の利用の重さが見えます(手元で計算した値)。
| 例 | 費用 | 年率の目安 |
|---|---|---|
| 30万円、支払期日まで40日、手数料10% | 30,000円(受取270,000円) | 91.25%(受取額ベース101.39%) |
| 1万円、手数料10% | 1,000円 | 日数による(30日なら121.67%) |
| 手数料10%、支払期日まで70日 | 請求額の10% | 52.14% |
| 参考:30万円を公庫の融資(年4.05%)で40日借りた場合 | 1,332円 | 4.05% |
一律10%のように率が決まっているサービスでは、支払期日まで長い請求書ほど年率の目安は下がり、短い請求書ほど上がります。急ぎでなければ、取引先に支払期日を早めてもらえないか相談する、公庫などの融資を使う、といった方法も比べてください。公庫は実際には年単位で貸すもので、40日だけ借りることは通常ありません。
年率に置き換えた数字は比べるための目安で、法律上の利息ではありません。ファクタリングは債権の売買だからです。ただし、実態が貸付けと判断されると貸金業の規制がかかります(ファクタリングの手数料に利息制限法・出資法はかかるか)。自分の数字はファクタリング手数料の年率計算ツールで出せます。各社の公表値の読み方はファクタリング手数料の相場を各社の公表値で確認にまとめています。
給与ファクタリングとの違い
「個人でも使える」とうたうサービスの中には、給料(賃金債権)を買い取るとする給与ファクタリングがあります。金融庁は、労働者の賃金債権を買い取り、その労働者を通じて回収する仕組みは「貸金業に該当します」としており、最高裁判所の令和5年2月20日決定も貸付けに当たると判断しています。
| 項目 | 事業者のファクタリング | 給与ファクタリング |
|---|---|---|
| 売る債権 | 事業の売掛金(取引先への請求書) | 勤め先から受け取る給料 |
| 誰から回収するか | 売掛先(第三者) | 結局は労働者本人 |
| 金融庁の扱い | 債権の売買(実態が貸付けなら規制) | 貸金業に該当 |
フリーランスでも、業務委託の報酬の請求書は事業の売掛金です。雇用契約の給料とは別物です。会社員の副業で、本業の給料を売るような勧誘を受けたら、使わないでください。詳しくは給与ファクタリングを読んでください。
申し込む前に確かめること
- 個人事業主が対象か、売掛先が個人でもよいか
- 請求書の金額が下限以上か、支払期日まで何日以内が対象か
- 2社間で登記が不要か(個人事業主はそもそも登記を使えません)
- 手数料以外の費用(事務手数料・振込手数料)があるか
- 売掛先が払わなかったとき自分が負担する条項(償還請求権・買戻し)がないか(償還請求権)
- 必要書類は会社ごとに違うので、公式の案内で確かめる(必要書類も参考にしてください)
確定申告での扱い
ファクタリングの手数料は、事業の経費として扱います。売掛金を売ったときの仕訳、青色申告決算書の科目、消費税の区分はファクタリングの仕訳と確定申告で説明しています。個別の処理は税理士か税務署に確認してください。
ほかの手段とあわせて考える
個人事業主が入金を早めたいとき、ファクタリングのほかにも方法があります。費用と日数の両方で比べてください。
| 方法 | 費用の目安(30万円・40日) | 日数・条件 |
|---|---|---|
| 2社間ファクタリング(10%の例) | 30,000円 | 審査が通れば早い。登記を求めない会社に限られる |
| 3社間ファクタリング | 率は見積もりによる(ビートレーディングの3社間平均は6.8%) | 売掛先の承諾が必要。承諾までの日数で前倒しの日数が減る |
| 公庫の融資(年4.05%の例) | 1,332円(40日分の利息の目安) | 審査・書類があり、実行までに日数がかかる。実際は年単位の借入れ |
| 取引先に支払期日の前倒しを相談 | 原則なし | 相手の同意が必要 |
数日以内に必要な資金ならファクタリング、来月以降も資金が足りない見込みなら融資、と日数で使い分ける考え方があります。比べ方はファクタリングと公的な資金繰り支援の比較で説明しています。
取引先が発注元として取適法(令和8年1月1日施行)の対象になる取引なら、代金は受領から60日以内に払われることになっています。支払期日までの日数が短くなると、同じ手数料率でも年率の目安は大きくなります。取適法の支払ルールは取適法の支払ルールを読んでください。
よくある質問
Q. 開業したばかりでも使えますか?
A. 会社によって条件が違います。公式ページに設立・開業からの期間の条件があるか確かめてください。審査では売掛先の信用力が重視されることが多いですが、条件は各社の案内によります。
Q. 売掛先に知られずに使えますか?
A. 2社間なら売掛先に知らせずに使えます。個人事業主は登記を使わないため、登記の記録から知られることもありません。ただし、契約によっては後から売掛先に通知される条項があるので、契約書を確かめてください。
Q. 手数料の10%は高いのですか?
A. 率だけでは判断できません。支払期日まで何日あるかで重さが変わり、40日なら年率の目安は91.25%、70日なら52.14%です。公表されている上限(PAYTODAY 9.5%、Easy factor 8%)や平均実績(ビートレーディング2社間10.3%)とも比べてください。
Q. 確定申告で手数料は経費になりますか?
A. 事業の売掛金を売った手数料は、事業の経費として扱うのが一般的です。科目や消費税の区分はファクタリングの仕訳と確定申告を読み、個別には税理士か税務署に確認してください。
出典
- 法務省 債権譲渡登記(対象・登録免許税) https://www.moj.go.jp/content/001178283.pdf
- 金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」 https://www.fsa.go.jp/user/factoring.html
- 金融庁 給与ファクタリングに関する注意喚起 https://www.fsa.go.jp/ordinary/chuui/kinyu_chuui2.html
- 各社公式(2026年10月27日確認):iFactor、ペイトナー、ビートレーディング、PAYTODAY、アウル経済、PMG
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