給与ファクタリングは貸金業に当たる|金融庁の見解と最高裁決定
当サイトが扱うのは事業者の売掛債権のファクタリングです。一方で、会社員などの給料(賃金債権)を買い取るとうたう「給与ファクタリング」は、金融庁が貸金業に該当すると明言しています。名前が似ているため、違いをはっきりさせておきます。
情報の確認日:2026-10-12
金融庁の見解
金融庁のページ「給与の買取りをうたった違法なヤミ金融にご注意ください!」は、次のように説明しています。
「業として、個人(労働者)が使用者に対して有する賃金債権を買い取って金銭を交付し、当該個人を通じて当該債権に係る資金の回収を行うことは、貸金業に該当します」
同ページは、貸金業登録のない業者による年利換算で数百〜千数百%に相当する手数料や、勤務先への連絡などの違法な取立ての危険を挙げています。また、債権の買取りを伴わない「給与前払いサービス」は別扱いとして参照資料を示しています。
最高裁 令和5年2月20日決定
| 事件番号 | 令和4(あ)288 |
|---|---|
| 裁判所・種別 | 最高裁判所第三小法廷・決定(上告棄却) |
| 判示事項 | 債権譲渡の対価としてされた金銭の交付が貸金業法2条1項と出資法5条3項にいう「貸付け」に当たるとされた事例 |
裁判所の判例情報では、労働基準法24条1項の趣旨から賃金債権の譲受人は使用者に直接支払を求めることができず、労働者が事実上債権を買い戻さざるを得ない仕組みだったことなどから、形式上は債権譲渡の対価であっても「貸付け」に当たると判断されています。金融庁の注意喚起ページにもこの決定が抜粋されています。
事業者の売掛債権ファクタリングとの違い
| 比較点 | 給与ファクタリング | 事業者の売掛債権ファクタリング |
|---|---|---|
| 対象債権 | 労働者が使用者に持つ賃金債権 | 事業者が取引先に持つ売掛債権 |
| 債務者への直接請求 | 賃金の直接払原則により譲受人は使用者に請求できない(最高裁決定) | 通知・承諾や登記など民法と特例法の手続で対抗要件を備える |
| 金融庁の整理 | 貸金業に該当 | 債権の売買とされるが、実態が貸付けと同様なら貸金業に該当するおそれ(偽装ファクタリング) |
大阪府も「違法なファクタリングについて」で、SNSを中心に給料債権を担保に資金を提供する取引が広がり、高額な手数料のトラブルが増えていると注意を呼びかけています。なお、事業者向けのサービスを提供する一般社団法人日本中小企業金融サポート機構も、公式サイトで「給料債権の買い取りは行なっておりません」と明記しています。
相談先・申込先の選び方
給料を担保にした資金提供の勧誘を受けた、すでに契約して取立てに困っている、という場合は、ファクタリング会社ではなく次の公的窓口に相談します(金融庁ページ記載の連絡先)。
- 金融庁 金融サービス利用者相談室:0570-016811(IP電話からは03-5251-6811)、平日10時〜17時
- 日本貸金業協会 貸金業相談・紛争解決センター:0570-051051(IP電話からは03-5739-3861)
- 警察相談専用電話:#9110
- 消費者ホットライン:188
- 多重債務の相談窓口(金融庁の一覧ページ)
出典(確認日:2026-10-12)
- 金融庁「給与の買取りをうたった違法なヤミ金融にご注意ください!」
- 金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」
- 裁判所「最高裁判所第三小法廷 令和5年2月20日決定(令和4(あ)288)」
- 大阪府「違法なファクタリングについて」
- 一般社団法人日本中小企業金融サポート機構 公式サイト
- 金融庁「多重債務についての相談窓口」
制度・料金は改定されることがあります。申込や契約の前に、各リンク先の最新情報と書面で確認してください。
月額だけでなく、総額と条件も見てみよう。