偽装ファクタリングの見分け方|金融庁・大阪府の注意喚起から
ファクタリングは債権の売買ですが、契約書に「売買」と書いてあっても、実態が貸付けと同じなら貸金業法の規制対象になり得ます。金融庁の注意喚起に書かれている判断材料を、申込前に契約書で確認できる形に整理しました。
情報の確認日:2026-10-27
金融庁が示す「偽装ファクタリング」の特徴
金融庁「ファクタリングの利用に関する注意喚起」は、貸金業登録を受けていないヤミ金融業者が、中小企業の経営者を対象にファクタリングを装って債権担保貸付けを行う事案が確認されているとしています。主な判断材料は次のとおりです。
- 業者から受け取る買取代金が債権額に比べて著しく低い
- 売主(利用企業)が債権を買い戻すことになっている
- 売掛先から回収できなかった場合に、売主自身の資金で業者に支払うことになっている
同ページは、ノンリコース(売却した債権が回収不能になっても売主に返済義務がない旨)の規定があるかといった形式面だけでなく、経済的な側面や実態を含めて判断されるとしています。
大阪府が挙げる手口
大阪府「違法なファクタリングについて」は、次のような手口を例示しています。
- 契約書に「売買契約」であることが明確に定められていない
- 売掛債権が回収できないとき、不払い分の支払いや債権の買戻しを求められる
- 買取代金の一部しか払われず、回収不能時に代金が減額される条件が付いている
同ページは、本来のファクタリングでは不払いの場合の回収義務は業者側にあるとしています。
契約書でのチェック表
| 契約書の箇所 | 確認すること | 注意が必要な書き方の例 |
|---|---|---|
| 契約の名称・目的 | 債権の売買(譲渡)であることが明記されているか | 「金銭消費貸借」「融資」「返済」の語がある |
| 償還請求・買戻し | 売掛先の不払い時に利用企業が負担する範囲 | 理由を問わず買戻し義務、不払い分の補填義務 |
| 代金の支払 | 買取代金の全額が契約時に確定・支払われるか | 一部留保で、回収不能時に減額 |
| 手数料 | 債権額に対する手数料の水準と内訳 | 担保目的と疑われるほど多額(裁判例で考慮された要素) |
| 相手方の情報 | 商号、所在地、代表者、固定電話 | 連絡手段が携帯電話やSNSだけ |
ここで挙げた「注意が必要な書き方」は、金融庁・大阪府の説明と裁判例の考慮要素をもとにした確認の目安です。該当すれば直ちに違法という意味ではなく、該当しなければ安全という意味でもありません。判断に迷う契約は、署名前に弁護士や公的窓口に見せてください。
貸金業登録と金利の上限
実態が貸付けで、業として行う場合は貸金業登録と法定上限の確認が必要です。出資法5条2項の刑事罰の基準は年20%。利息制限法1条は元本10万円未満で年20%、10万円以上100万円未満で年18%、100万円以上で年15%を超える部分を無効とします。
出資法5条1項の年109.5%は業としてではない貸付けの基準です。貸金業者が年109.5%を超える利息を契約したときは消費貸借契約自体が無効となる規定もあり、「一般の上限は109.5%」という意味ではありません。金融庁の上限金利の注意喚起と利息制限法・出資法の整理を参照してください。費用の単純年率換算をそのまま法定の利息と比較せず、契約の実態と計算方法は弁護士に確認します。
高額な手数料による資金繰り悪化
金融庁は、高額な手数料を支払うと資金繰りがかえって悪化し、多重債務に陥るおそれがあると注意喚起しています。手数料の計算で、手数料と諸費用を差し引いた受取額が次の支払に足りるかを先に確認してください。
相談先・申込先の選び方
申込先を選ぶ段階では、契約書の雛形を事前に送ってもらえるか、償還請求権の有無と範囲を書面で説明してくれるかを確認します。すでに契約して悪質な取立てを受けている場合、金融庁ページは警察(#9110)への相談を案内しています。その他の窓口は相談窓口の一覧にまとめています。
出典(確認日:2026-10-27)
制度・料金は改定されることがあります。申込や契約の前に、各リンク先の最新情報と書面で確認してください。
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