取適法

取適法(旧下請法)の手形払禁止と支払期日|受注側の資金繰りへの影響

下請法を改正した「取適法」が2026年1月1日に施行されました。手形の交付による支払が禁止され、発注側が電子記録債権や一括決済方式、ファクタリングを支払手段に使う場合のルールも明確になっています。受注側の事業者が、自社の売掛金を早く資金化する必要があるかを判断する材料として整理します。

情報の確認日:2026-10-27

法律の名称と施行日

公正取引委員会によると、改正法は令和7年5月16日に成立、同月23日に公布され、令和8年(2026年)1月1日に施行されました。法律名は「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」で、略称は中小受託取引適正化法、通称は取適法です。適用基準に従業員基準が加わり、対象取引に特定運送委託が加わりました。

代金の支払に関するルール

項目公的資料の記載
支払期日物品等を受領した日から起算して60日以内で、できる限り短い期間内に定める
手形払手形による代金の支払は違反(「支払遅延」に該当)
電子記録債権・ファクタリング等支払期日までに代金満額相当の現金を得ることが困難なものは違反
遅延利息支払期日を過ぎても支払わない場合、年率14.6%の遅延利息の支払義務。当事者間で別の利率を定めてもこの利率が優先
従業員基準製造委託等は300人、役務提供委託等は100人が基準(取引時点の人数で判断)
価格協議中小受託事業者が協議を求めたのに応じない、必要な説明をしないまま一方的に代金を決める行為は禁止

経済産業省(中小企業庁・公正取引委員会連名)の2025年11月11日の要請文では、2026年1月1日以降に発注される取適法対象取引で手形の交付による支払が一律に禁止されること、受領日から60日を超える満期を設定した電子記録債権や一括決済方式は原則として禁止されることが示されています。

取適法の対象外の取引はどうなるか

同じ要請文は、取適法の対象外の取引も含めて、サプライチェーン全体で支払サイトを受領日から60日以内に短縮し、できる限り現金払いとするよう事業者団体に求めています。ただし、これは要請であり、対象外の取引に取適法の規制が直接及ぶわけではありません。また、金融機関に対しては支払サイト短縮に取り組む事業者の資金繰り相談に丁寧に応じるよう求めています。

受注側がファクタリングを検討する前に

支払条件が法令に沿って改善されれば、ファクタリングの手数料を払って入金を前倒しする必要自体が小さくなる場合があります。資金繰り表で、支払サイトが変わった場合の不足額を先に計算してください。

相談先・申込先の選び方

支払条件が取適法に違反していないか疑問がある場合は、公正取引委員会や中小企業庁、各地の経済産業局の取引適正化の相談窓口に相談できます。ファクタリングを申し込む場合でも、売掛金の支払期日・支払方法がわかる発注書や請求書を手元にそろえておくと、見積比較がしやすくなります。

出典(確認日:2026-10-27)

制度・料金は改定されることがあります。申込や契約の前に、各リンク先の最新情報と書面で確認してください。

受取額を計算する契約方式を比較する

資本金・従業員の基準と支払方法

2026年1月1日以後に発注する対象取引では、支払期日までに満額相当の現金を受け取れない電子記録債権等の使用は認められません。決済時に一時負担が出る場合も、事前の書面合意と期日までの補填等が必要です。振込手数料の差引きは合意の有無にかかわらず減額に当たります。

取引の類型基準発注側(委託事業者)受注側(中小受託事業者)
製造委託・修理委託・特定運送委託、一部の情報成果物作成・役務提供(プログラム作成、運送、倉庫保管、情報処理)資本金3億円超3億円以下(個人を含む)
資本金1千万円超3億円以下1千万円以下(個人を含む)
従業員(令和8年1月から追加)300人超300人以下
上記以外の情報成果物作成委託・役務提供委託資本金5千万円超5千万円以下(個人を含む)
資本金1千万円超5千万円以下1千万円以下(個人を含む)
従業員(令和8年1月から追加)100人超100人以下

表は概要です。取引類型と常時使用する従業員の数を含め、公取委Q&Aと代金編リーフレットで確認してください。でんさい割引の費用比較

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